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〜コラム〜
ルートについて
僕は太平洋日本海縦走をやった人を何人か知っていますが、誰も
同じルートでは登っていません。
一番多いのは、逆ルートを取る人です。日本海の親不知からあがっ
て南へ向かう。アスファルト歩きが最後になるから、こちらの方が
足には楽でしょう。しかし、このルートでは親不知に沈む夕日とお
いかけっこはできない。
僕の通ったルート(静岡駅−南アルプス−八ヶ岳−北アルプス)は、
おおむね最短コースです。しかし、静岡駅から直接南アルプスへ抜
けるまでの間が、歩くと地獄になる。途中の富士見峠までかなり標
高差もあるし、その間ろくな水場も人家も宿泊施設もないので水の
計算をしないといけない。で、少し距離がありますが、御前崎から
井川を目指すルートが考えられます。
南アルプスを下山後は、木曽駒・御岳方面へむかって歩いている人
が多いです。僕が八ヶ岳へ向かったのは、できるだけ今まで登った
ことのない山を選んで線をつないだことと、あとアスファルト歩き
はできるだけ少なくしようと思ったからです。僕が八ヶ岳ルートを
取る前は御岳ルートの方が一般的でしたが、今は八ヶ岳ルートを取
る人の方が多いようです。
太平洋日本海縦走とあわせて、日本の三〇〇〇m峰二十一座をすべ
て登ろう、という人もいます。この場合富士山が入るので静岡県の
千本浜海岸や伊豆の南端がスタート/ゴールとして考えられる。ま
た、自宅を出発点などに絡めたりする人もいます。
太平洋日本海縦走は、ほとんどルートが決まっているようでいて、
かなり自在に線をひくことができる。机上登山をしてみるだけでも
面白いだろうし、それが実現できれば自分だけのルートとして一生
の思い出に残ることでしょう。
ちなみに、はじめて日本海太平洋縦走をしたといわれている「ベル
ニナ山岳会」は、魚津から入って毛勝三山を縦走した後、御嶽、木
曽駒方面を経て太平洋三保の松原をゴールにしています。一九六三
年のことでした。縦走は区間をきってリレー形式で行われたそうで
すが、一名が全区間を歩きとおしています。当時のことですから、
現在の縦走よりはるかに困難であったことでしょう。
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