高妻山 2004.10.7

区切り線

昨日7日、高妻山へ行ってきました。

最寄のICは信濃町だが信濃町まで走るといかにも高い。長野IC で下りて戸隠バードライン経由で戸隠牧場へ入ることにする。IC から1時間くらい。
戸隠神社付近を走っているとポンと車の警告音。なにかと思ってみ てみると路面凍結警告。外気温4℃。もうそんなに寒いのね。
牧場の入り口はわかりづらく少しぐるぐるする。先客2台。外気温 4度の割りに快適な一夜。朝になっ1台増える。寂しい。
今日は体力的にキツいと聞いていたのでストックを持っていくこと にする。しかしこれが失敗だった。
のどかな牧場の中から歩き始め、やがて登山道らしくなるとすぐ本 沢の渡渉。続いて支沢の渡渉。この山は沢を渡るのに橋がかかって ないんだな、と思ったのはまだ序の口。嫌がらせとしか思えないほ ど次々に渡渉を繰り返す。1箇所しょっぱい渡渉があって靴下を濡 らした。しまいには登山道が沢の中へ入り沢の中を歩くようになる。 これでは山登りではなく沢登りである。布製の登山靴の人は大丈夫 なのだろうか。
いい加減あきれる頃にやってくるのが1本目の鎖。スラブになった 滝の脇にかかっているやつである。ここは事前調査でステップが切っ てあると調査済。がしかし、よく見てみると申し訳程度に2,3歩 分だけつま先が入るステップがあるだけでとてもステップと呼べる 代物ではない。今まで登った鎖の中で最悪の足場。フリークライミ ングをやるかのごとく細かい足ホールドを拾ってフリクションと腕 力に任せて登る。
ここを登り切ると2本目の鎖が間近。縦にぶら下がった鎖を持って トラバースするところだ。ここもさらりと書いてあるサイトばかり で楽々行けるものと信じていた。しかしこの鎖場、
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*滑ったら死ぬ*
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のである。とても平然と渡れる代物ではない。
どこかにこの事実を書いてガンガンと警鐘を鳴らしているサイトが あれば僕は高妻山へは行かなかったかもしれない。代わりに、いか にも楽しげにいってきましたと書かれているサイトばかりである。 人の記録はあてにならん。
足場はきってあるがぬれた岩。鎖の間隔が広くて鎖なしで立たない といけない場所もある。最悪である。
ここをなんとか渡って、最後のところが1mちょっとの高さの岩登 りになっている場所でハマった。しっかりした足場さえあれば2歩 であがれるところである。が、かかりのよい足場がない。ベースが 1人分の足場しかないので失敗はできない。敗退が頭をかすめる。 が、ちょっとしたでっぱりを補助にして腕力で上がれてしまった。
あがってみて、戦慄を感じた。剱岳でも感じなかった死というもの がすぐそこにいるような気がした。剣岳は足場がいいから余程ヘマ をしない限り落ちるようなことはない。ここは足場が悪すぎる。
帰りもまた通らなければならない。くだりは登りより難しい。
今日ほどヘリで下山したいと思ったことはない。

これをあがりきってしまえば、あとは大したことはない。すぐに氷 清水に出、水が消えてまもなく一不動の避難小屋へ出る。今度は靴 の泥濘攻め。水の次は泥で靴も忙しい。小さなアップダウンを繰り 返し九勢至まで。落ちるようなところはない。アップダウンもあく まで小さいもので大登り大くだりはない。所々高々と聳える高妻山 の山頂が見えるところがあり、九勢至までくると真正面に見える。 CT2時間40分となっているがそんなにはかからないと思う。
九勢至からは約300mの大登りで山頂へ。体力的にきついことに なっているがはじめからきついもんだと覚悟してしまえばそんなに 特筆するほどきついとは思えなかった。
山頂までは3時間30分。コースタイムは4時間40分となってい るがどこでどう詰めたのかわからない。今日はゆっくり歩いていた つもりなのでタイム自体が甘めなのだろう。
山頂からの展望は北ア全体、妙高火打焼山、雨飾山、浅間山、富士 山などだがとても山頂を楽しむ気にはなれない。くだりのことを考 えると気が重い。

帰りは両手で鎖をつかめる様ストックをしまいこんで歩く。出だし から足場の悪い急坂。ちょっと気を緩めると滑りそうでまっとうな 速度で歩くことなどできない。つまらんところで怪我をしたくない のでゆっくりいくことにした。
このときのための早出早着なのじゃないか。時間はたっぷりある。 すれ違う人は夫婦づれに結構な歳のおじさんばかり。みんなにこに こしている。本当か?本当にあれを登ってきたのか?本当は迂回路 でもあるんじゃないのか?
帰りも結構登りの箇所があり足にくる。が、これは山がきついので はなく前日標高差1200mの階段を登ったのがまだ残っているせ いだと思う。五地蔵山でいったん休憩。
後ろから血気迫る勢いでやってくる人がいた。何かと思えば雪もな いのにピッケル持ったおじさん。あっという間に追い越される。す ごいぞ夏ピッケル。ひざ痛めるなよ。
下り切った鞍部の一不動の避難小屋で再度休憩してあれに挑む。
最初の1mの岩登り、一番嫌と感じていたところは下の方の悪いス テップに足がかかり意外と楽に下りられた。ここから縦の鎖のトラ バース。一気にいくには距離があるので途中で休む。鎖が濡れてお り滑ったときに掴んでいられるかどうかは怪しい。気休めにしかな らない。ズボンで手をぬぐうがズボンも水を吸わない素材。これも 気休めにしかならない。這いずりながら最後の鎖をつかんだ。
予想外に怖かったのが1本目の鎖で、滝の落ち口から鎖を掴むまで の2歩がとにかく怖い。登るときにはここの怖さは想像できなかっ た。足を滑らせたらスラブの下までまっさかさま。死にはしないだ ろうけれど今後の登山人生を左右するような大怪我は免れない。も う3m鎖を上へ伸ばしてほしい。もう1歩足を出すのが怖いのでうー んと体を伸ばして教科書の悪い見本みたいな格好で鎖に手を伸ばす。 掴んでしまえばこっちのもの。腕力と乏しい足場を頼りにゆっくり と下る。悪い。悪すぎる。とても一般ルートの鎖場ではない。
とにかく、これで生きて帰ることができる。2箇所擦り傷を作った が代償と思えば安いものだ。
あとは嫌がらせのように荒れた登山道は渡渉を繰り返す。しばらく 行くとメルヘンチックな牧場の端へ出てくる。
登山口にある登山者に告ぐ、毎年死亡者が出ています云々のくだり は、ここに限っては本当だったようだ。
渡渉と泥濘で酷使された靴、今日は防水スプレーを塗ってやろう。

とにかく楽しくない登山だった。高妻山、僕の嫌いリストに入りま した。もう2度と行くことはないと思う。

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*この山行のデータ(山行日基準)* データの見方
ルート 戸隠牧場−一不動−高妻山 往復
地図 Yahoo! (データがありません この欄は互換性のため提供されます)
地形図 (データがありません この欄は互換性のため提供されます)
難易度 僕は剣岳以上の恐怖を感じた。体力ばかり語られる山だが危険度の方が高いと思う。
所要時間 戸隠牧場−一不動 2H
一不動−五地蔵山 50分
五地蔵山−九勢至 50分
九勢至−山頂   1H

山頂−五地蔵山  1H20
五地蔵山−一不動 40分
一不動−戸隠牧場 90分
他の季節 (データがありません この欄は互換性のため提供されます)
トイレ 登山口より少し下がったところ。
水場 氷清水。登山口わきにひっそりとあるので見落とさないよう。
避難小屋 一不動の避難小屋は程度普通で宿泊に適します。寝具はないので持参してください
幕営適地 五地蔵山山頂に一張り。
交通 普通は信濃町ICから入ると思う。長野ICから戸隠バードライン経由で約1H
バスも走っているが公共交通機関でのアプローチは大変そうだ。
登山計画書 登山口で提出できます
問合せ先・参考文献 (データがありません この欄は互換性のため提供されます)
その他 で…戦略なのですが、2007.3に思い返して書いてみると、くだりのスラブは補助ロープをかければいいと思います。 帯岩のトラバースがなあ…アンカーが剣岳のようにしっかりしていれば、カラビナかけて、自分のハーネスからス リング(シュリンゲ)でビレイをとればいいのですが、鎖が縦だから鎖のわっかにシュリンゲが通らないとビレイも難しい。 シュリンゲ通して、カラビナかけて、…あれでもインクノットじゃダメだなあ。永久に後ろの人がこないのであれば全部の鎖に カラビナかけて、自分のハーネスから2本スリングだしといて、次の鎖にビレイを取ったらその手前の鎖のビレイをはずす、よ うにすればいいような気もするんだが、結構鎖と鎖の間も離れていたし、百名山の最短ルートだから混むときはどの位人が入る かわからん位入るだろうからさあ。
ということはだ。この登山道を管理してるとこに電話かけて、帯岩のとこの鎖を縦じゃなくて横にしてもらうように頼み込むの がいちばん簡潔な解決方法じゃないか?というのが、僕の思いだったりする。あの鎖が横につけば、剣岳と同じようなビレイの とりかたでOKになるんだもん。
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最終更新日:
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