有害動物との遭遇


有害動物、という言い方は不遜ですが、できれば遭遇したくない生き物、という のもいます。

まず、生物による死者数を見てみたいと思いますと、こんなグラフになります。
(作ってから気づいたのですが・・・色盲な方ごめんなさい)
これは、登山中に限ったものではなく、年間の統計です。野良仕事中にやられた とか、寝ていてやられた、というのも含まれます。巣にいたずらをしかけた、と いうのもあります。


これはいい加減なグラフなのですが、だいたいこんな感じになります。

問題。このグラフの中に適切な生物名をあてはめよ。


正解:
  オレンジ色:ハチ(年間30名前後)
  青:ヘビ(同10名前後)
  緑:ムカデ(同1名以下)
  ピンク:その他(誤差)

1つ注意してほしいのは、この、ヘビによる死者のほとんどはハブで あること。ハブは内地には生息しませんので、ヘビによる死者も限り なく少ないことになります。
・・・・と、なると、何に注意をすればいいのか、一目瞭然ですね。

さて、クマは?
クマは、その他に入ります。特に本州のツキノワグマが人を襲うこと は限りなく少ない。


登山の場合、こういった危険に遭遇することはほとんどありませんが、 一応知っておくと良いと思いますので挙げておきました。なお、ここに あげたほとんどがいずれも低山で遭遇するもの。アルプス巡りなどでは ほとんどお目にかかることがないことも、あわせて頭に入れておくと良 いと思います。

ヘビ・・・・

日本国内(沖縄を除く)における毒ヘビは、ヤマカガシとマムシになります。 いずれもまず襲ってくることはありません。特にヤマカガシに襲われることは、 基本的には手を出さない限り襲われることは考えられない。

マムシについても、登山者は登山靴をはいているので被害に遭うことは少ない です。もちろん、まったく被害に遭わない、ということはありません。

マムシは夜行性だと言われていますが、日中でも出回るようです。また、変温 動物ですので、雨の降った日の翌日には日当たりのいい登山道近くの石の上で 寝ていたりします。攻撃性は高くないですので、いきなりエンカウントしなけ れば大抵あちらさんから退散してくれると思いますが、何より大事なのは手を 出さないこと。無視していればほとんど被害に遭う可能性はありません。

万一マムシに噛まれた場合、マムシの毒で死ぬことは、あまりありませんので、
(大抵1ヶ月位入院となるそうです)
まず、傷口から口で毒を吸い出して、その後落ち着いて下山することだそうで す。傷口を縛ることは基本的に無意味ですが、縛るとしても軽く。あまり縛り すぎると壊死して切断しなければならなくなります。また、患部の冷却はあま り効果がないことがわかっています。つまり、基本的に自分でできることは何 もない。ミソ塗ったりするのは最悪です。毒を吸い出すことすらよくないとさ れている資料もあります。

走ったりするとかえって毒の回りが速くなるので落ち着いて、子供の場合は危険ですのでで きる限り早く救助を求めると良いそうです。
噛まれたヘビの特徴をよく覚えておくことは非常に重要で、特に長さと尻尾の 方の太さ(尻尾のほうまでずっと太いか、尻尾にいくに従って細くなるか)に 注意します。この特徴を医療機関に伝えることにより、速やかな手当が可能と なります。

以下補足

「日本蛇族学術研究所」の回答が一番正確かと思いましたが、
こちらの方では 噛まれた場合の対処法までは公開していないようです。
>http://www.sunfield.ne.jp/~snake-c/

医療機関関係者のサイトでの調査をしました限りでは、
あまり口で毒を吸い出 すことは好ましくない、というのが、
一番一般的な回答のようです。
その理由として挙げられているのは、吸出した毒を誤って
飲んでしまう可能性、 および、虫歯などから毒が入ってし
まう可能性、が指摘されています。 ということは、逆に考え
ますと、吸い出すことで体内に入る毒の量は減る、と
いうことですから、吸い出すこと自体には効果がある、と考
えて良いのではな いかと思います。そして、吸い出す手段
としては、口ではないもの=ポイズン リムーバーが最も良い、
ということになろうかと思います。

>http://miyap-hp.hoops.ne.jp/hebi.htm
>http://www.wakayama.go.jp/prefg/050100/kessei.htm

その方法として、以前は「切開して」と言われておりましたが、
切開した場合 感染などから予後が良くありませんので、今は
切開してはいけない、というの が通説であるようです。

個人的なサイトで色々書かれているところもありますが、(当方
のサイトも含めて?)信頼に足るサイトというのはあまり多くない
ような気がします。

追伸

ヘビ+毒とかで検索しますと、いきなりリアルなページに
ヒットすることが ありますのでお気を付けください。

クマ・・・・

クマを怖がるヒトは結構多いですが、クマによる死者というのは、限りなく0に 近くて、統計上ほとんど誤差でしかありません。
クマの場合、北海道在住のヒグマと内地在住のツキノワグマがおりますが、危険 なのはヒグマで、攻撃性も強い。ツキノワグマは、親と子供の間に入ったり、偶 然バッタリであったりしない限りほとんどの場合はむこうから逃げてくれると言います。

クマは笹やタケノコが好きですので、こういった植生の場所ではより神経質でな いといけません。耳が良いですので、鈴もしくは笛などで音を出して歩くと良い とされています。
万一バッタリ出会った場合、背中を向けないこと、だそうです。ザックを置いて、 クマが気をそらしているうちに逃げることだとのことですが、一般的に言えば登 山道を歩いている限りクマと出会うことはほとんどないような気がします。
要注意なのは、ヤブ山歩きをする人でしょうか。

ハチ・・・・

危険です。健康な人がハチ以外の理由で死ぬことはまず考えられないです。 とくに秋口のハチは気が立っているので厳重注意です。冬にはほとんど死んで しまうので出会うことはありません。人通りの多い登山道に巣を作ることはま ずないと思いますが、巣を見つけた場合近寄らず、できるだけ刺激しないよう 速やかに通過することです。
キイロスズメバチ、アシナガバチ、ミツバチ、いずれも危険です。毒性も哺乳 類向け特製ブレンドで、あらゆる毒がミックスされています。しかも、1度目 から危険ですが、2度目以降は抗体による過剰反応=アナフェラルキシー・ショッ クが出て、30分〜1時間で死に至ることもある、と言われています。幸い僕 はハチ毒で死んだことはまだないのですが。
黒いものを攻撃すると言われていますので、黒い服を避けるのがポイントです。
特にキイロスズメバチは攻撃性も強く、大挙して出てきて無差別に刺すと言わ れていますので、絶対近寄ってはいけない。

万一狙われた場合は、走って逃げる。巣から200〜300m程度離れれば追 いかけてこないといわれています。囲まれた場合は首筋をカバーしてその場に うずくまると目標を失ってそのうちひきあげる、といわれています。

ちなみに、ハチそっくりのアブもいますが、こちらは刺しません。刺す真似ま でするそうですが・・・

野犬・・・

危険です。特に里近くの山では最近捨てられる犬も増えてきて、群れをなして 囲まれ襲われることがあるといいます。背を向けてはいけませんが、刺激する のもまたよくないと言われています。
リーダーがかならずいるはずなので、リーダーを狙って石を投げると良いと言 われています。

ヒル・・・・

ヒルは毒性はありませんが、張り付いて吸血し、しかも血が止まらないという ことで、あまり遭遇したくない生物の1つです。
もし避けるとすれば、いそうなところには近づかない。ストッキングが有効、 という話は聞いておりますが、ストッキングは無効、という話も聞いていま す。
万一張り付かれた場合は、メンソレータムないしはライターであぶると簡単に 取れるといいます。引っ張ってもなかなか止まりません。傷口は必ず消毒して おいたほうがいいでしょう。
止血のほうは胃薬が有効だという話を聞きました。動きは結構俊敏ですが人の 足よりは遅いですので、追いかけられたら逃げるのが有効です。
生息域を広げますので、血を吸ったヒルは必ず爆破して、生きたまま地に返さ ないようにしなければならないといわれています。

クモ・・・・

日本において、致命的な毒グモ、というのはいないのですが、それでも何種類 かの毒グモはいるそうです。その中でもカバキコマチグモは危険で、死に至る ようなことはないものの、激しい痛みと腫れが起きるといいます。


男・・・・

 こまったものですね。女性にとって、できれば山の中では出会いたくない種類の生き物です?
 こればっかりはどうにもなりません。諦めてください。

(2001.1.23)

最終更新日:
山旅メーリングリスト - www.tozan.org
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