山に向く人向かない人
何事にも適性、というものがありまして、残念ながら登山には向かない人、というのもおります。
乱暴に言ってしまえば歩くだけですので、100万人に1人とも言われる運転の適性がある人より
はずっと適性の範囲は広いのですが、みんながみんな、というわけには参りませんので、順を追っ
て見ていきたいと思います。
(1)健康状態・・・
山歩き、というのは、所謂生活習慣病にてきめんに効果がありますが、生活習慣病にてきめんに効
果がある、ということは、生活習慣病にてきめんに効果があるほど激しい運動だ、ということです。
要するに、その激しい運動に耐えられる程度には健康である必要がある、ということです。
実際、山歩きをしている人はだいたい生活習慣病とは無縁だと思いますが、勘違いしてほしくない
のは、健康な人が山歩きをするのであって、不健康な人が山歩きをしても健康になるわけではない!
ということです。平地で生活するのも苦しいような人が山に登ってしまったら、健康になるどころ
か仏さんにしかなれません。
血圧高め、とか、血糖値高め、位ならともかくとして、血圧が高い、とかいう話になってしまうと、
僕は「まず平地で運動して血圧を正常値の範囲内まで落としてからどーぞ」という立場です。
なんと無責任な、と思われるかもしれませんが、実際のところ、トレーニングなしで山に登れるの
は20代までです。それ以上のトシになったら、ちゃんと運動して体力を維持していないと厳しい。
ですから、血圧が上がるほど運動が足りない人は、まず運動してからどーぞ、ということで、やっ
ぱり理に叶っているんですね。
今、山の(死亡)事故で一番多いのは、実は病死です。
(2)肥満・・・
山歩き、というのは、所謂肥満にもてきめんに効果がありますが、肥満にもてきめんに効果がある
ということは、肥満にもてきめんに効果があるほど激しい運動だ、ということです。
はっきりいいます。肥満の人は登山に向きません。他人より重い体重を他人より少ない運動能力で
支えるわけですから、まず人並みに歩くのは難しいですし、膝や足首の故障は加速度的に多くなる
筈です。下手に山行中に膝を痛めたりして自力行動不能に陥ったら、それは要するに遭難なわけで
すよね。
ですから、やはり極端に体重の重い人は、基本的には登山に向かないんです。体重の重い人は、それを十分自覚した上で、より慎重な登山が必要です。そして、ダイエットも平行して行われるようにすることを僕はおすすめしておきます。
(3)高所恐怖・・・
高所恐怖症であるがゆえに登山に向かない、ということはないのですが、辛いと思います。
一般的に登山というのは、やっぱり高い所へ向かう行為ですから、それなりに高度感を感じる場所
があるのが普通なんですね。いや、場合によっては高度感があるから面白い。たとえば、尾根沿いについた登山道の脇が100m切れ落ちている、
というのは結構ある話ですし、それ以前に登山道にいきなり3〜5m位の梯子や鎖が出てくること
は決して珍しくはありません。丸木やつり橋はどうでしょうか。それすらも登れない、ということ
になりますと、その程度の梯子や鎖は地図にかかれないのが普通ですから、行きたい登山道をチェッ
クして、問題がなければ行く、というような話になってしまいます。それはあまりにも非現実的で
す。
(4)勉強不熱心・・・
ヤマ、というのは、結構知らないといけないことが多くて、僕なんかは平日は本を読んでいるかホー
ムページを書いているか、地図を見ているか、まあそんなところですけど、とにかく覚えないとい
けないこと知らないといけないこと/覚えたほうがいいこと知っておいたほうがいいこと、という
のは星の数ほどもあります。多くは大勢に影響はないといっても、その知識が生死を左右すること
もありますから、やっぱり勉強不熱心、といいますか、本を読むだけの労すら惜しむ人にはやっぱ
り登山は辛い、ということになってしまいます。
(5)元手・・・・
ヤマ、というのは、結構元手のかかる遊び(あえてスポーツという言葉は避けます)です。僕の場合、そこのところをおもいきり勘違いしていて、スキーよりは安いだろう、と思っていたのですが、多分スキーよりは高いですね(笑)おまけに、僕は低山ハイクからはじめて、丹沢みたいな本格的な山(笑)には一生登らないつもりでいたので、最初に買った結構いい加減な道具を、ちゃんとしたものに買いなおしたものがいくつもあります。それで終われば良かったのですが、積雪のある山には一生登らないつもりでいたのが、残雪期に入るようになって、そこでも買い換えが入り、今度は積雪期。お金がかかる登山を志す人の中でもお金の使い具合は半端ではない、というのを自負しています(笑)
本題からそれましたが、どうしても「ある程度お金が自由になる」人でないと、登山というのは難しいと思います。山の道具というのは、買ってしまえば10年20年使えるものが多いのですが、結構高いものが多い。2人で登るつもりなら、やっぱり夏のボーナスはなくなる位の覚悟をしないといけない。
安くやろうと思えば決してムチャクチャにお金がかかわるわけではありませんが、でも、やっぱりそれなりにお金は出て行くので、汲々としているところで登山をされるのは、いろいろな意味でよくないと思います。
最終更新日:
山旅メーリングリスト - www.tozan.org