行動食に関する研究
行動食、といいますと、移動中に食べるあれです。
一般的な登山技術書を見ますと、行動食の重要性が力説されていたり
しまして、僕も一般論として、行動食は有効だよ、というのはある程
度まで認めます。
さて、行動食。何を食べていますでしょうか。
運動のメカニズム、というのは、
エネルギーの供給源、というのは、二通りあります。即ち、筋肉内部
に蓄えられた「グリコーゲン」と、筋肉の外に蓄えられた、「脂肪」
です。
運動開始時は、まず近いところにあるもの=グリコーゲンが消費され、
グリコーゲンが減ってくるころに脂肪が供給される、ということにな
ります。脂肪が供給される前にグリコーゲンが尽きてしまうと終わっ
てしまう。
それはさておき、脂肪というのは、遠くから運ばれてきます。運んで
くるのは血液で、中身は血糖です。つまり、運動中は血糖値が高くな
ければいけない。(これは悪いことではありません。血液中に出た血
糖はちゃんと筋肉で分解されるので一時的に高くなっても運動をやめ
れば血糖値は下がります)
では、エネルギー消費に、エネルギーの供給が追いつかない場合はど
うでしょう。即ち、脂肪から血液に血糖を供給するよりも、血糖から
エネルギーを取り出して燃焼させてしまうスピードが速い場合です。
こうなると、血糖値はどんどん下がっていき、燃やすものがない=力
が出ない=シャリバテ、ということになってしまいます。血糖値が下
がるから空腹を感じる。
こういった状況を防ぐには、エネルギーの消費を減らす=負荷を減ら
す、ペースを落とすか、ないしは何らかの方法で血糖値を上げてあげ
ればいいわけです。
即ち、消化が早く、早く血糖を上げられる糖質を含んだ食品を登山中
に口にする・・・・これが、行動食の真です。
しかしながら、糖質の取りすぎは、逆に脂質の燃焼を妨げ、もしくは
グリコーゲンの消費を加速するとも言われている。
このことからいって、行動食=甘いもの、というのは、一面では当を
得ていないことになる。(ちなみに的は射るもので的は得ない)
さて、
運動中、といのは、血が消化器官ではなく、主に筋肉にあります。即
ち、登山、とくに登りの間、というのは、消化する力が弱っています。
従いまして、あまり量としては消化しきれないし、体のほうもよほど
空腹ではない限り大量の行動食を要求することはないはずです。
このことから、おそらくは一度に大量摂取することはなく、少量を何
回にもわけて食べることになるはずです。
即ち、行動食は、小分けしてあることが重要である、ということにな
ります。
エネルギー供給が追いつけば、何も行動食を口にする必要はない。弱っ
た胃に食べ物を流し込まずにすむ。というのは、実は一面真実です。
相応の体力があるなら、朝食をしっかりとるのが、登山のエネルギーを
供給するには一番重要なのではないだろうか。行動食はそれからです。
僕の場合?
僕は、日帰りならおにぎりとスニッカーズ。でも、スニッカーズは持
ち帰ることが多いです。場合によってはおにぎりも持ち帰ってきます。
山登っているときは、あまり食べたくない。
さて、3〜4日目になってきますと、今度重要になってくるのは、塩分。
期間が長くなると、とにかく流れ出る塩分を補給しないと体の調子が悪
くなってきます。ですから、長期の行動食は、甘いものではなくて塩辛
いものがおすすめです。具体的には、ビーフジャーキーであるとか、塩
昆布といった類です。僕は柿の種を使ったこともありますが、封ができ
るものならなかなかでした。
行動食の範疇を逸脱しますが、もう1つおすすめなのは、「すっぱいもの」です。生の果物はさすがにあれですけど、切り分けたみかんやオレンジなどを包んで山の上に持っていくと、疲労回復に効果があるでしょう。
行動食として甘いもの、ということになりますと、
ベタベタに甘いものは、登山時にはのどを通らないことも多いです。チョコレートは大抵夏場は解けますので、おすすめできません。(冬場はガチガチのバキバキになって粉っぽくなってしまいます)
ほしぶどうは昔から行動食として良くつかわれてきましたが、実は1〜2日だったら、飴玉で十分だったりします。ノンシュガーをなめているだけでもなんとなく食べた気になりますが、甘いやつだったら、継続的にエネルギーが入るという点でかなり有利です
カフェインは脂肪の燃焼に効果がありますので、コーヒー、紅茶類をあわせて摂取することはおすすめできると思います。
(2001.1.23)
最終更新日:
山旅メーリングリスト - www.tozan.org