季節に応じた山歩き
(1)まずは5月頃からはじめるのが理想
初心者は夏に登り始めるのが理想、と書かれている書籍が多いですが、僕は「5月」をおすすめしたいと思います。(但し、東北地方や、新潟方面の山は比較的低い山でも5月にはまだ雪に閉ざされています。あくまでも関東以南の話だとここでは思ってください)
というのは、初心者がまずチャレンジするであろう標高1000m内外の山、というのは、「夏になると虫が出る」のと、「非常に暑い!」ので、あまり歩くには適さないからです。夏場はヤブがひどくなってしまう低山も、この季節なら新緑やツツジが美しいので、まず5月頃の山にチャレンジするのが一番楽しいでしょう。
また、この時期は体脂肪が落ちやすい時期なので、体重計に乗る楽しみもあり、3ヶ月も山のことを勉強すると、8月頃にはアルプスの山のいくつかに登れるだけの技術が身につきます。この時期にはじめれば、あの高山植物が咲き乱れる雲上の楽園に行くチャンスがあるのです。
(勿論、かならずしも5月に山登りをはじめないといけない、ということはありません。別の季節にはじめたい人は、もう少しおつきあいください)
ただし、2000m以上の山は、まだ5月には雪が残っていることがあります。雪の残っている山は素人の出る幕ではありませんので、あくまでも「低山」の場合に限って話を進めます。
さて、5月ですが、5月のメリットとしては、日が長い、というのがありますが、朝晩は意外と冷え込みが厳しい。従って、5月の登山では、1枚余計に着るものを持っていくと良いでしょう。
また、5月といえば五月晴れ(さつきばれ)だと思われている方も多いですが、意外と5月は天気が不安定で、五月雨(さみだれ)なんていう言葉もあるので、天気予報はしっかりチェックしてでかけよう。
低山、という言い方は、実に抽象的で、明確な基準がありません。定義もせずにこういう言葉を使うのは無責任ですが、比較的標高が低く(関東地方で概ね2000m未満)て、特筆する危険箇所のない山のことを低山と呼ぶと思ってもらえればいいと思います。これに対して、「中級山岳」「高山」というのもありますが、日本の場合中級山岳は2000m前半、高山は3000m前後の山を指しますが、この言葉には難易度的意味合いも含まれるので、標高が800mでも普通の技術では登れない山を低山と呼ぶことはあまりありませんし、も加味されるのが普通です。純粋に標高だけに注目した場合は、2000m級、2500m級、3000m級、という具合に呼びます
(2)6月は登山向き
6月は日が長く、しかも晴れる日が多い。世間では梅雨時、ということになっていますが、7月10日頃がいちばん天気が不安定で、6月は大抵晴れ間が続いたりするものです。1500mくらいの山ならまだ暑くもなく、快適な登山が楽しめると思います。但し、大雨が何日か続いたあとは、晴れていても場所によって山崩れなどのおそれがありますから十分な注意がひつようです。。
(3)7月8月の低山は意外とキツいぞ
上にも書きましたが、まず、7月8月の低山はとにかく暑い!水を一杯もたないといけないのでその分荷物は重くなるし、日射病や熱射病の危険もある。湿度が高いので意外と展望もよくない。アブやブヨなどの虫が出るルートが多く、草木が伸びて腕を攻撃します。ですから、暑くてもまず半袖になることはできない。まして雨が降ってきて雨具を着込んだりしたら、もう暑くて死にそうです。勿論、歩けないことはないけれども、この時期に山をはじめると、なんだ山って面白くないな、っていうことになるかもしれません。
従って、この時期に山をはじめる人は、2000〜2500m程度の山に、経験者に連れていってもらうのが一番いいでしょう。不幸にもまわりに経験者がいない場合は、比較的初心者向きと目される山にチャレンジするのが一番良いと思います。
たとえば、「尾瀬」(木道を歩くだけでも充分楽しいが、至仏山に登るのをハイライトにしてもいいだろう。尾瀬ヶ原からあれだけ立派に見える燧ケ岳も、時間だけ注意すれば大きな危険はない)や、「上高地」(槍沢あたりまでなら散策できるが、初心者に登頂できる山は上高地にはない。焼岳なら体力的にはかなりキツいが初心者でも登頂可能。間違っても槍や穂高にチャレンジしようなどと思ってはいけない)など、もしくは美ヶ原や霧が峰、蓼科山などならビギナーでも登れるだろう。意外な穴場は富士山だが、体力的にキツく、人ごみだらけで、しかも殺風景で変化がない。富士山は寵愛で達成感を求めるところなので、登って楽しむところではない。そこのところだけ理解してもらえれば富士登山もまたおすすめだ。
(4)秋の低山は寒さ対策に重点を。
秋になってくると低山は楽しく歩けるようになってくる。キノコや木の実が出たり、秋の花や、また枯れ葉を踏む紅葉ハイキングなども楽しいだろう。葉が落ちて空気が澄んでくるので展望も良くなってくる。しかし、この時期日中は良いが、朝夕は冷え込みが非常に厳しくなってくるので、しっかりした防寒具が必要となってくる。
この時期に注意したいのはハチ。この時期のハチは気がたっているので、くれぐれも刺激しないようにしたい。クマよりもハチの方がはるかに危険だ。
(5)冬にはじめて山に登るのはすすめられない
関東付近の山でも、1500m前後もあればかなり雪が降り、ラッセル(雪を踏みわけて道をつけること)をしないといけないことさえある。朝夕は凍ることもあるし、アイゼンが必要になる場面もある。初心者にはちょっと難しいシチュエーションがいくつかある。勿論、300〜500m前後ならほとんど問題ないし、800mくらいの山なら年間を通じて登ることはできる。しかし、一般的に言えば、まだ山のヤもわからない初心者が、冬に山に登るのは無謀だといわざるを得ない。
もし、ある程度経験を積んで、雪のない時期にいろいろな山を歩いたのであれば、800mくらいまでの山にチャレンジしてみるのもいいだろう。但し、天気のいいときに限るべきだ。冬は夏以上に天気に神経質でなければならない。きっと、ふくらんだ木の芽などを見つけることができるだろう。そして、その展望の美しさにきっと驚くことになる(注:関東の場合。新潟や東北の800mの山は連日吹雪に見舞われることでしょうから、初心者の出る幕ではない)
(6)3月にもなれば1000m前後の山は登れるぞ
スキー場がクローズする3月末をもって、冬と春の区別をする人が多いですが、1000m前後の山なら、3月に入るともう雪は解ける一方。もうすっかり春です。初心者は500m内外位の山からはじめたほうがいいでしょう。それなりに登っている人なら、若干残った雪を踏みながら春をさがすハイキングもなかなか楽しいだろう。
最終更新日:
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