シュラフ

| 必要度 |
★
テント泊・避難小屋泊の場合のみ必要。 |
| 道具選びの重要性 |
★★★
季節や山の標高によって使い分ける。
対応温度が高すぎると寒くて寝られず、低すぎると寝苦しい。 |
| この道具が必要な山行 |
テント泊・避難小屋泊 |
| 予算 |
夏用・3季用の羽毛品で2万〜3万、冬用でも3万〜4万出せばいいものが買えると思います。いいものは青天井 |
(シュラフ、寝袋)
テント泊、と、いえば、やはりシュラフ。もぞもそと這い出して、最高の朝焼けを見るのはまた楽しみだが、朝ピッカリは大抵長続きしないのが、若干の憂鬱。シュラフは、一般的にはテント泊には必携なので、テントと一緒に揃えることになる。やっぱり、どうしてもテントだと物入りですね。
(封筒型か、マミー型か)
シュラフ、というと、四角いやつと、人型のやつがありますが、一般的にオートキャンプで使われている封筒型のシュラフは、山には向きません。確かに布団とあまり感覚が違わず、寝やすいのですが、重い(調べたんです。3季用で4kg近いのがありました。それって、布団?)のと、どうしても開口部が大きい分保温性が低くなってしまいがちです。低山ならともかく、オートキャンプ用の封筒型シュラフは、基本的に山用にはならない、と考えてください。
(化繊か、羽毛か)
一昔前ならともかくとして、これから買われる縦走派な人には羽毛をおすすめしたいです。モンベル(http://www.montbell.com/)やイスカあたりで扱っているものであれば、今は2万円も出せば夏山で満足行くシュラフは手に入ります。化繊のものでも1万円は切らないと思いますから、よほど学生さんでもない限りは化繊のものは薦めにくい、ある意味いい時代になりました。
羽毛のシュラフですと、軽量でコンパクトであるというメリット以外に、片付けが早い、というメリットもあります。羽毛のシュラフは化繊のように折りたたむ必要がなく(というか、折りたたんではいけない)スタッフバッグに端から詰めていけばOKなので暗がりでも簡単に片付きます。また、同じ対応温度のシュラフであれば、快適に寝られる温度は化繊より羽毛の方が広いのが普通です。
一方、羽毛のものは、一旦ぬらしてしまうと、山行中に乾かすのは絶望的です。濡らしてはいけない。
大きさは、下の写真を見てもらえばわかるとおりザックの3〜5Lを左右する位大きさが違うんで、一回り小さいザックで山へ行ける(場合によっては新しいザックを買わずに済むかもしれないし、そうでなくとも1サイズ小さいザックで山へいけるのだから、その分の軽量化も大きい。また大きさ分値段の安いザックが使える)
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左が化繊、右が羽毛。ともに3シーズン用のシュラフ。化繊のものがおよそマイナス10度まで、羽毛ものはマイナス9度まで対応なので、性能的には大差がないのに、これだけサイズが違ってしまう。但し、羽毛モノの方が若干対応身長が短いので、その分は差し引いて見る必要はある。
中央は、サイズ比較のために置いた、ジュヴレイ・シャンベルタン・ルグラン1996。実は、これが一番高いかも(ウソ)
どうしてもサイズ的重量的には、羽毛の方が有利だ。ただ、化繊のメリットもあるので、一概にどちらが良い、とは、言えない。
マイナス10度以下、つまり、4季対応のものは、羽毛の独断場である。
沢登りの場合には、濡れに強い化繊の方が有利だといえる。勿論、財布が心もとない場合も、だ。
因みに左が3980円、右が19800円(当時)
左のものは、僕は車中泊に使っています。
(値段が違うから)羽毛のように繊細な取り扱いをしなくて済むので便利に使っています。 |
(温度)
これは、非常に難しいと思います。普通の人は、シュラフを3つも4つも買うわけにはいかないので、対応する温度をかなり絞っていかないといけない。
僕の使っている450g(ロバーツ・ヴァガボンド450=さかいや扱い)は、公称対応温度−9度まで。実質は−3〜−5というところでしょう。ほとんど羽毛量を気にせずに使用しています。5月連休の雲取山山頂、同じく金峰山は富士見平、北八つ、北アは徳沢でも、5月中旬頃の蝶が岳山頂も常念小屋でも快適でした。僕はあまり断熱性の高くない薄いマットを使っているので、行程が伸びてきてちょっと湿気を吸ってしまったときに天気の悪い日にあたると、Tシャツ+シャツ、という格好では明け方やや寒いこともありますが、それでもフリースまで着れば全然問題ありません。夏の3000mでも不足はなく、9月の槍ヶ岳直下でも下着だけでバッチリでした。2000m以下で暑いか寒いかはなんともいえませんが、盛夏の曇天(晴天の方が夜は冷える)の北沢峠では暑くてシュラフに入れずそのまま寝ました。
従って、下が−9度位のモデルなら、冬以外の時期はほぼ通年で使用できる、と言えると思います。5月と10月あたりは2000m程度の山(関東の場合)にしか登らないようなら、もう少し軽い400gくらいのモデルでもいい。従って、冬は山に登らない、という人は、−3〜−9度対応、というのが1つの目安でしょう。
問題は冬も山に登る人ですが、冬は3000m級稜線に登っちゃうよ、という人は、羽毛量で900g以上のシュラフが必要なので、もうこれはどうにもなりません。3季用と冬用と両方買ってください。っていうか、そういう人は僕なんかの文章読んでないで、山岳団体でご相談ください(笑)
難しいのは、丹沢主脈縦走とか、冬は関東近県の2000m弱クラスの山にしか登らない、という人でして、この人には、選択肢がいくつもあります。
順を追っていくと、3季用+冬用の2つ、3季用+夏用の2つ(冬は2枚重ねで使う)、夏用+冬用の2つ、軽い冬用1つ、と、いう選択が挙げられると思います。一番安いのはライトウィンターモデルを1つで済ます、というものですが、夏場はどうでしょうか。−13度〜15度対応の600gモデルでは、夏のちょっと標高の低いキャンプ地では暑すぎる状況があると思います。逆に夏はシュラフは持たない、とした場合、2000m程度のキャンプ地なら多分シュラフカバーだけでも大丈夫ですが、3000mでちょっと天候が優れなかったときどうかなあ、というのがあります。かといって450gを通年で使うのは無理。
夏用と冬用で、夏は軽量なシュラフ(もしくは安価な化繊のシュラフ)を使って、それ以外の季節はライトウィンターモデルを使う、とすれば、夏場余分な重量を持たなくていい点、使い分けに無理がない点などから、使用する分には文句がありません。でも、どっちから買う?
多分、夏山→秋山→冬山、とステップを踏むはずで、多分夏山だけ登っている頃は冬山のことなんか頭にないはずです。そうすると、多分最初に買うシュラフは3季用になりますよね。それに、別のシュラフを組み合わせて夏から冬までカバーするとすると、3季+冬用、か、3季+夏用、に、ならざるを得ない。後者は夏用、3季用、合体、の3通りの組み合わせが選べるので、夏は荷物が軽くなるが、肝心の冬に重くなってしまう。
450gと600gはカタログでは隣同士になるので、温度差はほとんどない。400と900はいい組み合わせですが、僕は450+800という組み合わせにしました。アルプス回りでもしない限り800なら厳冬期でも大抵の山でつかえます。従って、純粋山屋でない限りこのへんが一番無難かな、という気がします。
(ファスナー)
僕が冬用のシュラフを買おうと思ったとき、一番に候補にあがったのがファスナーなしのEL750N、というやつでした。対応温度は−19度までのミドルウィンターモデルです。で、実際に買ったのはEL800というファスナー付のモデル。対応温度は−20度です。
ファスナーがないモデルは、ファスナーから熱が逃げにくいため、その分軽くても保温性が確保できるのですが、ファスナーは出入りのしやすさだけではなく、温度調節のためにも有効だということを忘れてはいけません。ファスナーなしモデルは軽くて保温性が高いけど、その分温度調節の範囲が狭い、と言えると思います。
(袋)
シュラフの入っていた袋(スタッフバッグ)。これをなくしてしまわないよう注意してください。僕はスタッフバッグとシュラフは離れないよう取り出すたびに袋の方はシュラフの紐に縛っています。テント内ではポケットに入れるようにするのも手ですが、自分のわかりやすい方法で決めておくのが重要ではないかと思います。一旦シュラフから離してしまうと雑多な山道具の中から探し出すのはたいへんな作業を伴うもので、2,3ヶ月ほども出てこなかったことがあります。
丁度良いサイズのものを後から入手するのは難しいと思います。メーカーのほうから取り寄せができるかどうかは調査していませんが、シュラフも袋がなければ本体が元気でも使うことができません。
(シュラフカバー)
シュラフカバー、というのは、シュラフが濡れないようにするため/汚れを防ぐためのカバーなのですが、(特に雨天での)ビバークに備えて、日帰りでも持つべきだ、という人もいます。また、小屋泊りの場合使うと汚れた布団に直接接さないとか、夏場の低山であればシュラフをもたずにこれだけでテント泊ができるともいいます。もちろん、シュラフを使う場合にもテント泊のときは必携です。・・・といいますが、1泊2泊程度なら持たなくても良いようです。また、シュラフカバーには、保温効果もありますので、シュラフだけだとちょっと寒いかな、という場合でも、シュラフカバーがあれば万全です。
持っていますが、僕はほとんど使ったことがありません。むしろ、日帰りのときの非常用装備、といった趣です。
(シュラフを持っていくとき)
シュラフを山へ持っていくときは、スタッフバッグの上から、さらにビニール袋で包んでいくといいと思います。そのままだと、ザックの中へ入れといて、雨が降ったりすると水気を吸いやすいですし、濡れたテントなんかと一緒に入れたりするとびしょびしょになってしまいます。一旦濡らしてしまうと、乾かすには相当な労力が必要ですので、行動中はビニール袋に包んでおいて、濡らさないようにしておくのが良いと思います。
(シュラフの保管)
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シュラフは、スタッフバッグに入れて押しつぶされたたままだとどうしてもだんだん膨らまなくなってくる、そうだ。(私は試したことがないので伝聞)
従って、風通しの良い場所に膨らませて保管するのが鉄則だ。大事に使えば、5年や10年はちゃんともってくれる。
はみでた羽毛は、押しもどす。引っ張って抜いてしまうと、穴が広がってそこからまた羽毛がでてきてしまうのだそうだ。
ちょっと見づらいが、私の場合は左写真のように、押し入れの中に吊るしてある。風通しが良いかどうかは難しいが、あまり日があたったりせず、また、潰される心配もないので、やはりここが一番良いのでは?袋はなくしてしまいやすいので、シュラフと一緒にハンガーにひっかけてある。
メッシュのストレージバッグ(保管袋)などに入れて、ロフトを確保したまま丸めておく方法もあるが、この場合も保管場所の確保は大変だろう。結局、我々は、都会に生まれたことを悔やむしかないのである。
洗濯は、風呂(浴槽)と足を使うそうだが、基本的に洗うのは大変ですし、洗ってしまうと羽毛の油も落ちてしまうので、極力汚さないようにしたい。 |
最終更新日:
山旅メーリングリスト - www.tozan.org
