ザック

区切り線

必要度 ★★★
ないと話にならない
道具選びの重要性 ★★★
容量や機能など、自分にあったものを選ぶ必要がある
この道具が必要な山行 あらゆる山行で必要だが、山行内容によって使い分ける
予算 1万円〜大型ザックで3万円くらい。オスプレイとグレゴリーは値段もちょっと別格

ザック選びのポイントは、僕は以下の通りだと思います

1)一番重要なのは、容量
2)体にフィットするかどうか
3)最後に細かい機能がついているかどうか
★容量

一般的に、容量の目安としては、

夏山の場合、日帰りなら25L。小屋1泊なら40〜50L、テント1泊/小屋2〜3泊なら50〜60L
春/秋山の場合、日帰りなら30〜35L、小屋1泊なら50〜60L、テント1泊なら60〜70L程度
冬山の場合、日帰り40〜60L、テント泊なら70L以上。

と、言われています(イシイスポーツ談、および私の経験により修正)

具体的な例をあげますと、夏の富士山なら30〜40L、尾瀬なら30L位、高尾山なら20Lが目安でしょうか。
春秋の雲取山なら、小屋泊で40L、テント泊で60L、という具合になります。冬なら85L目一杯。
夏のアルプスめぐり(3泊程度)なら、小屋泊で40L程度、テント泊で70L前後です。
それでは、実際に山行によってザックの大きさを変えているか、というと、僕は変えていませんし、まあ普通の人は変えないでしょう。容量の違うザックを3つも4つも買うお金が、仮にあったとしても、週末になる度に荷物を詰める人はまずいなくて、ほとんどの山道具は山から帰ってきたら洗うなり、ゴミは捨てるなり、消耗品を補給して機械モノの動作を点検して、洗ったものは元通りザックの中にしまいこんでおき、翌週末はそのザックを持ち出す、というのが普通だと思います。山から帰ってきたら全部出して片付けて、週末になってザックを選んで、そこに荷物を詰める、というのは、余程時間的に恵まれていないとできない芸当です。従って、長期山行はともかくとして、週末、日帰り〜2泊3日位の山行は、全部同じザックで済ませる、というのが、基本的な考え方になると思います。

たとえば、夏の日帰りハイキングしかしないよ、と言う人。おそらく、夏のハイキングでしたら、25〜30Lもあれば十分です。が、こういう人は、いずれ春秋のハイキングをするようになることが多いですから、そういったときにも使えるように、40L前後のものを選んでおくと長く使えるのではないかと思います。
春秋の日帰り、夏の小屋泊あたりがメインになる人の場合は、40L〜45L位あれば十分です。

今は装備がみんな軽く小さくなっているので、冬でもない限り70L以上のザックが必要なことはほとんどありません。50Lもあれば夏のテント1泊ならこなせてしまいます。3〜4泊でも60Lあればなんとか。90Lクラスになると、エクスペディションといいますか、海外であるとか、8〜9日以上の山行、冬の登山でしか出番がありません。

僕が一番ジェネリックに勧められるサイズ、というのは、40+5L程度です。簡単に申し上げますと、容量が可変するザックで、基本的には40Lなのですが、フタが上に「びろろ〜ん」と伸びて、容量が増えるザックがあります。これなら、春秋の日帰りや小屋1泊ならジャストバランス。夏山テント泊も1泊程度ならなんとかいける、という具合に、オールマイティに使うことができます。本格的なテント泊や春秋のテント泊・長期小屋泊には少々容量が足りませんが、そこまで山にのめりこんでから、はじめて大きなザックを買えばよいでしょう。

容量は、あまり体力と相談しないで決めた方がよいでしょう。もちろん、いきなり70L〜100Lクラスのものを背負うのは無謀ですが、容量と荷物の重さは比例しませんし、ザックが小さければ必要な荷物が減る訳ではありません。必要な荷物は重かろうと軽かろうと背負わなければならないのです。むしろ、少し大きめのものの方が、パッキングも楽だと思います。
参考までに、カタログに書かれた容量は、メーカーによってまちまちであまりあてにはなりませんので、実際に自分の目で見てどの位入るのかみきわめないと、45Lのザックが40Lより小さかった、なんてこともありえますのでご注意ください。

経験から言って、荷物の3kgはザックのフィット感で取り返せます。18kgの荷物を良質のザックで背負うより、15kgの荷物を劣質のザックで背負うほうが余程重く感じます。ですから、ザックは相応の時間をかけて、自分の体格に最もあったものを(値札を見ずに)選ぶと良いと思います。もちろん、愛着を持てる一品と出会うためには色やデザインも大事ですが、まずはフィット感を最重視してほしいかと思います。そして、絶対に妥協をせず時には何十回となく店に足を運ぶことです。

(色・カタチ)

色は、好みが重要ですが、一応参考までに申し上げておきますと、黒系統、濃緑系統、濃茶系統は避けたほうが良いでしょう。万一遭難したとき、目立つ色の方が発見される確率が高くなります。特に黒はスズメバチに狙われやすい色といいますので、黒はやめたほうがよいのではないかと思います。また、(個人的には)サイドが全部ファスナーになっているタイプは、ファスナーが壊れた場合のことを考えると山用にはおすすめしがたいとおもいます。

(1)ウエストベルトのないものは、基本的に登山には向きません。デイパックでは、写真のように厚いパッドではなく、薄いベルトであることがありますが、それはOKです。
(2)メッシュ構造になっているものは、ムレにくく快適。
(3)ここで背中の長さを調整できるものもあります。ウエストベルト(1)の中心が、自分の腰骨の上の線にくるよう調整すれば疲れづらくなります。
(4)肩ベルトは、太すぎるものが多いように思います。華奢なのは問題ですが、必要以上に太いのは背負いづらいと思います。それから、肩ベルトはどうしても痛みが早いですから、つけ根のしっかり縫製されているものを選ぶと良いでしょう。
左は45L,右は70+15L。こうして見比べると結構大きさが違います。
ザック自体の重さは50Lクラスなら2Kg〜2.5kg前後、70Lクラスだと2〜3Kg前後。ザック自体の重さは結構馬鹿にならない。あまり軽いものは耐久性が劣る場合があるので要注意。

(1)ピッケルホルダなどは、一般的な軽登山ではまず使用しないだろう。このような複雑な機能はザックを重くする要因になるので、軽登山用途ならシンプルなものの方がよいだろう。尤も、ピッケルを使うような登山も、やってしまえばなかなか面白い。ある程度先を見越して、必要な装備のついているものにするのも必要なことだ。

(2)ディジーチェーンは、まず活躍する機会がない。あまりここにものをぶら下げるのは、モノをひっかけたりして危険だ。ここにカップをつるしたりする人もいますが、外に食器をぶら下げるのは、落としたりする危険性や木の枝にひっかかる可能性、不衛生さなどを考えるとやめた方がいい、というのが一般的見解。

(3)上と下にわかれた、2気室式のザックが便利。テント泊なら、行動中必要になるものは上と下で、中央にはテントやシュラフなど、幕営に必要なものを入れれば、行動中はザックの中をひっかきまわす必要がない。日帰りの場合は炊事道具を下にすれば、食事がスムーズに運ぶ。雨が降ったりしない限りザックの中はひっかきまわさずに済む。1気室式のものは、その分軽量にできているが、パッキングが難しい。上級者向けだ。    

こちらが25Lのデイパック。この位の容量だと、夏の低山ハイク位でないとかなり厳しい。使途が限られてしまうので、本格的に山をやるのなら1つ目のザックとしてはおすすめしづらい。日帰りハイキング専門だったら大丈夫かな?でも春〜秋フルに山のぼりをしようと思うと、この大きさではちょっと不安だと思います。

(1)フラップは、濡れた雨具などを挟んでおけるが、開け閉めに余分な手間がかかるのが難点。ディジーチェーン(上の写真の(2)など)や、サイドのベルトなどに括り付けたほうが賢明だろう。日帰りなら、さほどめまぐるしく天候が変わるとも思えず、あまり有効な装備とは思えない。

(2)サイドジッパー式のものは、ファスナーが壊れたとき、中身が全部出てしまう欠点がある。まず壊れないとは思うが、やはり個人的には上の写真のような、アタックザック形式のものの方が、それらしいという点(道具としての愛着的部分)も含めて、おすすめできるような気がするが・・・・

(3)ショップブランドものは、色気がないかわりに、軽かったり、安かったりする。体格に合えばお買い得だろう。シンプルで使いやすいのが多いのも特徴だ。
ザックの適合具合は、いくつか持ってみないとわからないことがある。30L位のものなら多少体にあってなくても誤魔化せる部分があるが、容量が大きい(=荷物が重い)ものは深刻である。そういう点からいっても、最初の1つ目に70L前後の大きなものを選ぶのは、おすすめできない。

(注意事項)

山中では、ザックは命そのものです。行程1日を残してザックを失ったら、命も失う可能性があることはよく肝に銘じておく必要があるでしょう。とくに肩ベルトのつけ根部分がほつれやすいので、この部分の縫い目が強いモデルを選ぶと良いかと思いますし、山行前にはこの部分をよく点検するべきだと思います。そして、不用意な場所にザックを置くと風で飛ばされたり、もしくは何かの拍子に崖下に転がったりすることがありますから、体から離すときは、その場所が安全かどうかもよく確認されると良いと思います。 ザックを下ろす

また、最近は心無い人が増えておりますから、あまり不用意な場所にデポ(放置の類似語)したりしないようご注意ください。

ザックの外側へは、基本的に何もつけないようにします。テントポールやテントマットはともかくとして、ナスカンでシエラカップを留めたりすると、落としたりひっかけたりする可能性がありますし、そもそも食器を外へ露出させることは衛生上良くないように思います。なによりガチャガチャしてうるさいことこの上ない。
熊除けの鈴をつけている人がおりますが、これもホドホドにして頂きたいかと思います。西丹沢や紀伊の山、北海道ならともかくとして、夏の表銀座や丹沢表尾根にもつけてくるのは、単なる無駄、耳障りでしかありません。

(取り扱い)

ザックは、最も汚れやすいものの1つですが、基本的に丸洗いはできません。汚さないように注意し、汚れたら拭き取るようにしてください。洗剤は汚れのひどいときだけ使用します。防水スプレーの使用も有効かと思います。

(ウエストバッグ)

ウエストバッグは、アプローチ時(=自宅→登山口までの行程)には便利かと思いますが、山行には使えません。特に登攀性の高い一般ルートでは、ウエストバッグが足の動きを妨げます。サブザックとして使う場合には、ウエストバッグよりもヒップバッグのほうが良いでしょう。

(サブザック)

サブザックは、たとえば1日目にAという場所に入って、テントを設営。2日目はAから山頂を目指してAまで戻り、3日目には下山、というコースを取った場合、Aという場所に、Aから山頂の間では必要のないテントやシュラフほか大量の荷物をデポ(放置の類似語)していけるわけです。Aから山頂までは、雨具や非常食など最低限の荷物を持っていけば良いわけです。このときに、荷物は少ないのに70Lクラスの巨大なザックを持っていくのは、ザックの重さだけでも大変ですので、Aから山頂までの間では小型のザックを使うことが良くあります。これをしてサブザックと呼び、折りたたんでザックの隅にしまっておけるようなザックも売られています。小屋泊の場合はあまり使う機会がありませんし、テント泊でも縦走型(要するにテントを持って移動すること)では使う機会がありませんが、軽装の日帰りハイキングにも使えるので、定着型のテント泊が多い方は手に入れておくと良いかもしれません。私はバッタ屋で1000円均一のものを手に入れたのですが、まだ本格的な出動はこれからですので、評価についてはまだ下せません。

僕自身は、40L(と表記されているが実際には30Lくらい)のザックと70+15Lのザックを今はメインで使っています。他に60Lと90+15Lを持っています。
40Lの方が日帰りなのですが、夏の日帰りには丁度良くても春秋だと防寒着が入りきらない・・・もう少し大きいのにすれば良かったな、と思っております。
85Lの方はテント泊用で、僕の場合テントマットをザックの中に入れるのでこの容量が使いやすいサイズです。

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最終更新日:

山旅メーリングリスト - www.tozan.org

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