tozan.net

- - - 特大

ピッケル mixiチェック ツイート

区切り線



このページでは、あくまでも滑落する虞がなくて、アイゼンだけでも登れるけれどもピッケルがあればより楽に登高できる、という場所を登ることを前提に話を進めます。本当にピッケルがないと登れない場所、というのは、いい加減な知識と技術で登ると生死にかかわりますので、僕の説明ではなく、ちゃんとした山岳団体で指導を受けた上で登ってもらいたいと思います。 写真

ジーンズ姿で結構間抜けなのですが、これがピッケルです。って知らない人はまずいないですね(笑)
ピッケルは英語ではアイスアックス、と言いまして、雪がなければ何の役にも立たない道具ですが、雪があるところでは、歩行のバランス取りや、氷をカッティングして足場を作ったり、確保に使ったり、耐風姿勢をとるのにつかったり、足を滑らせたときに滑落停止につかったり、もしくはテントのペグ代わりに使ったりと、ナイフのごとく様々な用途がある道具です。尤も、日本国内の多くの山は、積雪期でもピッケルではなくストックがあれば大抵登れるので、(余程涸沢カールを登るとか、赤岳に行くとかいうようなことがない限り)あまり使う機会の多くない道具ではあります。僕も、必要だから持っているわけではなく、さまになるんで雪山には一応持っていっているだけです。
ピッケルというのは、要するに刃物ですから、いい加減な扱いをされますと足に穴をあけたり(笑い事ではなく、実際にそういう事故もあったそうです)することがありますので、慎重に扱ってください。ちゃんと使えないのなら持たないほうがマシ、というのも、一面真実です。

さて、なんでみっともない人の姿が入ったかというと、ピッケルの長さ、というのがありまして、これは体に合わせるものなんです。で、どの位がいいかというと、縦走の場合にはピッケルを持ってまっすぐ腕を下ろしたときに、だいたい写真の位置のように、先端がくるぶしにくる位の長さか、もう少し長い位が丁度いい、といわれています。縦走用としては少し長めの方が流行りみたいで、僕の使っている65センチが一番短い、なんていうモデルもあるみたいです。
おおよそ自分の登る山の角度によってピッケルの長さは決まり、緩やかな山なら長く、急なら短めですが、最初の1本は写真程度のものがいいと思います。同じ縦走でも、穂高のザイテングラードや八ヶ岳の赤岳へ登るような場合でしたら短めの方がいいでしょう。というか、そんなところへ登っちゃう人は僕の文章読んでないで山岳会で勉強してください(爆)登攀の場合はもっと短くなります。

で、本当は僕が書くことではなくて、山岳団体で教えてもらうことなのですが、通常ピッケルは右の図のように持ちます。(勿論素手では持ちません。必ず手袋をした上で持たないと金属は冷えますので凍傷になります)

 
写真

(ピッケル選び)

シャルレでいえばガイド(廃番)とかの、かなりしっかりしたピッケルもありますが、確保の支点にしたりするのでない、あくまで基本的に杖としての用途が多い場合、僕は写真くらいの軽量なピッケルで十分と思います。ただ、いくら軽くてもカラビナかける穴くらいはあいていた方がいいのではないかと思いますが・・・僕は写真のピッケルで確保の支点に使いますし、ただ、これを振り回してクライミングっぽいことはやろうと思いません(ちょっと長いしね)
これからどう山に取り組んでいくかにもよるのですが、僕と同じくらいの山行であれば、多分この位のピッケルで十分と思います。

写真
B(Basicの略)タイプのものと、T(Technicalの略)タイプのものがあって、Bタイプは基本的に杖代わりの強度しか持っていません。Tタイプのものは岩場でこじったりするような用途に十分な強度を持っています。本格的にピッケルを使うような登山をする人は、Tタイプを選んでおいたほうがいいでしょう。っていうか、こんなとこ読んでないで山岳団体の門をたたけ。
http://www.abc-of-mountaineering.com/articles/iceaxesgearguide.asp

(呼び名)

これは参考までに知っておくと面白いのですが、

 日本語      英語
 「ブレード」 = 「adz(アッズ)」
 「ピック」  =  「blade(ブレード)」
 「スピッツェ」= 「pick(ピック)」

さあ、だんだん混乱してきましたね。

(ピックが前か、ブレードが前か)

通常のぼりではピックが前ですが、問題はくだりです。ピックを前にすべきか、ブレードを前にすべきか、というのは散々議論されて結論が出ない問題でもあります。
一応僕の所属している山岳会では、下りではブレードが前、と教えられています。僕が講習を受けた林ペンションやイシイスポーツでは、下りでもピックが前と教えられました(と思います。)
ヤマケイ登山学校「冬山」ではブレードが前、となっています。同じく「春山」の筆者はのぼりくだりともブレードが前。
それでは、山旅ではどう説明するか。
どっちでもOK。ピックが前だろうが後ろだろうがそんなことは関係ない。そんなことを気にする前に、絶対に転倒しない技術を身につけるべし。
というのが、僕の考えです。
日本ではまずピッケルを持つと必死に滑落停止を教えられますが、実は海外では滑落停止は重要な技術とは考えられていません。教えられないことすらあります。要するに、滑落したら生きるか死ぬかは運次第。絶対に滑落してはいけない。という考え方なんですね。日本でもこの考え方は徐々に浸透していると思いますし、僕も基本的にこの考えに賛成です。実際に滑落停止で助かった例もあるので滑落停止技術を軽んずるのは違うと思いますが、しっかりした歩き方を身に付けましょう。危ないところではロープを出しましょう。コンテにしましょう。もっと危ないところはスタカットにしましょう。というほうが重要と僕は思います。

ちなみに、雪面が柔らかい場合にはのぼりでもブレードを前にして持つこともあります。どういうことか、というと、万一滑落した場合、通常はピックを打ち込みますが、雪が腐っている場合はピックよりもブレードの方を打ち込んだほうが停止させやすいことがある(そうだ)からです。

(ピッケルバンド)

ピッケル、というのは、滑落中に自分の体から離れてしまうと、文字通り致命的なので、絶対に体から離れないようバンドで固定しておきます。上の写真にも青いヒモがついているかと思いますが、これがピッケルバンドです。で、手首に固定するタイプと首にかけるタイプとありますが、ピッケルというのは山側に打ち込むものなので、左手で持つこともあります。従って、首にかけるタイプの方が持ち替えは楽です。手首にかけるタイプのものは、持ちかえる度にバンドをつけなおさないといけません。登攀の場合は手首の方が良く、縦走の場合は肩にかけるものが良いそうです。
手首にかけるタイプのものを縦走に使う場合、適当な長さのスリング(シュリンゲ)を肩にたすきがけにして、そこにカラビナをくっつけてバンドをそこにかける、という方法もあります。これならリストバンドとしてもどちらでも使え、またシュリンゲが足りなくなったときはそれを使えばいいわけですからなかなかナイスです。

(ザックへの固定)

写真 ピッケルのザックへの固定は、左の図のように行います。下の輪に上から通して折り返し、上の輪を結ぶ。
ピッケルは刃物なので、必ずザックに取り付けるときにはカバーをしておく必要があります。万一人の顔にでも当たったら、綺麗に切れてくれ、そのときは山ではなく警察に行くことになります。お気をつけください。

区切り線




最終更新日:2012.2.27 9:17(by script)
tozan.net - http://tozan.net/

TOP BACK