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ルートファインディング力


23〜24予定の読図の会、参加希望者が1人もいないようなので、中止ということで、説こうと思ってたことを書こうと思います。地形、地形図の読み方については、書き始めると長くなるし良書もあるので省略します。 「入門講座-2万5000分の1地図の読み方 平塚昌人」 https://www.amazon.co.jp/dp/4093661111/


一般ルートの登山中に道迷いしないためには、2つのチカラが必要だと思うのです。いわく、「地形を読む力(読図力)」と、「登山道を発見する力(ルートファインディング力)」です。僕は、一般ルートの登山に、地図読みの力だけでは不十分だと思うのです。


逆に、一般ルートを歩くのであれば、バリルートを歩くのではないので、シビアな読図力は求められないと思います。コンパスに至っては、もっと使う機会は少ないです。だけれども、実際に使ったことがあるかというと、使ったことがあります。あるわけなので、持ってないといけないし、使い方は知っておかないといけない。


読図というのは、1つの情報で100%この場所、と簡単に特定できるものではない。現在地を推理する資料があって、それが積みあがっていくことで、「この場所かな?」→「この場所の可能性が高い」→「間違いないだろう」と、確度を増していくものです。だから、多くの情報が入ってくるよう気を配らなければなりません。


読図力、というのは明確に確立された技術で、わりあい簡単に勉強することもできるし、できたできないもわかりやすいと思います。だけれども、ルートファインディング力というのは、どこか野生の勘的なところもあって、なかなかこうだ、という具合にいうことも難しいと思います。


読図力とルートファインディング力は車の両輪です。登山道を発見するのに、地形的にこのあたりに登山道があるはず、という具合に、読図力であたりをつけておいて、その周囲を探すことで実際の登山道を発見する、というのは、定番的なやり方だと思うので、片方だけでなく両方のチカラをつけていかないといけないと思うのです。


みんな、地図が読めるようになりたい、というけれど、その割に地図を広げることがないし、広げても赤い線とそこに書かれた数字ばかり気にして、周囲の地形がどうなっているかまで気にかける人は少ないように思います。


今立っているところは、100%間違いなく登山道でしょうか。この1点で確信が持てれば、いまいる場所は地図上の赤い線の上のどこかです。ひろい地図の中から、今いる場所はかなり絞ることができます。


常に100%間違いなく登山道である場所を歩き続けることは困難です。疑わしい場所があると感じたら、その場所にブックマークをして、やっぱりおかしいと思ったら、その、ブックマークの位置まで戻るようにします。普段登山道の変化に注意を払っていれば、たいていの場合1,2分戻るだけで済むことが大半です。


木の階段などの人工的に整備された道というのは、意外と信用できないのです。これは一般ルートだけでなく、送電線巡視路などに入り込んだ可能性も絶対に0ではありません。過去に道だったけど、すでに廃道になっているものである可能性もありますし、実は階段ではなく植生回復のための段々だったということも過去には経験があります。


登山中に道を間違える場所、というのは、ある程度パターンがあります。枯沢が絡むところや、尾根を外れるところ沢から上がるところ、尾根が折れるところ、それから、山頂も危険な場所です。こういった場所に注意を払うことで、登山道をはずれてしまうことは格段に減ると思います。


水場へおりる道。水場の先に、小屋番なんかが水道整備をするために踏み跡がついていて、それも過ぎると何もなくなったとかいうのはよくあるパターンです。登山道をはずれてしまう場所は、みんながひっかかるから、しっかりした踏み跡がついてしまっていることが多い。それも往復するから明瞭になりがちで、踏み跡は100%信用できる登山道ではないのです。


倒木をのりこえるときは十分注意が必要です。それは倒木ではなく、こちらは登山道ではないよ、という具合に整備された「とおせんぼ」である可能性もあります。倒木の類をのりこえるときは、それが、道をふさぐためにわざと置かれた木でないことをよく確認してから乗りこえるべきです。


人工物のなかには、100%現在地を特定できるものがあります。三角点、橋、あと送電鉄塔なんかの位置は読み間違えることがありません。道標もかなり信用できる現在地特定の道具ですが、道標は100%とは言えない可能性があります。


赤テープはあまり信用できない道標です。本来の道を誘導する場合のほかに、バリエーションルートの入り口(あるいは内部)、もしくは林業用の目印、という可能性もあるので、そのテープの意味が何であるか、よく推測しなければなりません。それに比べると、ペンキ印はより信用度の高い道標です。


テープで整備された登山道は、同じ色の複数のテープがついていることがほとんどです。足元の登山道がみつからなくなったら、少し遠くを見まわして、同じ色のテープがついていないか探してみることが肝要です。ペンキも、近くでみつからなかったら、少し遠くへ目をやってみるとみつかることがあります。


登山道というのは、地形的に弱いところについていることが多いものです。たとえば、川が蛇行しているところは、削られる側と堆積する側があるわけで、たいてい、削られて崖になる側に登山道がついていたりはしません。たとえば斜里岳は、川が蛇行するたびに対岸へ徒渉するわけで、予め「今度はあっちへ渡る」と予測できるわけです


おしゃべりに夢中になって道標(あるいは…)を見落とすというのはかなり多いパターンです。確実に登山道をトレースできる自信があるところ以外は、あまりおしゃべりに夢中にならないようにした方がよいかと思います。


チートっぽいけど、携帯電話のGPSもかなり有効だと思います。電池が切れたときに身動きがとれなくなるから頼りっきりにするのはどうかと思いますが、新しい技術をとりいれるのも登山技術だと思うので、ひととおり、使い方は覚えておいて損はないでしょう。

(2017.9.3)




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